Think-Lands Co., Ltd.
光干渉断層計 OCT
サンプルの内部構造を非破壊・非侵襲でイメージングできます
測定対象に応じた解析ソフトのカスタマイズ
ご要望によって波長変更を含むハードの最適化も可能
OCTだけでなくステージなど周辺装置を含むOCT統合システムとしての提供が可能です
OCT (Optical Coherence Tomography)により、サンプルの内部構造を非破壊・非侵襲でイメージングできます。
カメラで見ずに光で見るため、顕微鏡と違い、透明な物質や光を反射させる物質の内部も計測が可能です。
項目 | 仕様 | 単位 |
Center Wavelength | 840 | nm |
Axial Resolution | 3.2 | μm |
Lateral Resolution | 4.9 | μm |
Working Distance* | 25.1 | mm |
Field of View* | 11.2×11.2 | mm |
※ LSM03スキャンレンズ使用時
※ 本製品は、和歌山大学尾崎研究室の成果を基に開発致しました。
計測データ例
表面・内部構造検査用3Dスキャナ(OCTシステム)により透明・黒色・光沢のある物質*の検出、非破壊・非接触での数mm深さ方向*の2D&3D画像化を実現します。また、解析ソフトのカスタマイズによりオフライン/インライン検査のあらゆるニーズに対応した自動検査機を提供致します。
*材料によって深度・分解能が異なります。
食品内部
多層フィルムのOCT計測実例
4層構造の機能性フィルムの測定サンプル
四層ある多層フィルム(左上)をOCTで観察しました。
三次元(左下)、または断層(右上)のOCT画像からフィルムが四層あることが確認できます。また、それぞれの層の厚さも算出することができます。
右下の五つの画像は層を作っているA-E面のOCT画像です。それぞれの面で異なる表面形状が観察できます。
このように、OCTを使うことで、多層フィルムや多層膜の厚さ測定や不純物の検査(3D形状・深さを含めた位置)、表面形状の評価などが行えます。
応用例
各種光学フィルム(ディスプレイ表面保護用フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルム、ハードコートフィルム等)、ディスプレイ(FPD/OLED)、工業用フィルム、包装用フィルムなど様々な機能性フィルムに対応します。
Before: 多層構造の製品の寸法検査では切断による応力でひずみが生じる。
After:OCTを使用すると、切断せずにそのままの状態で層構造の寸法検査が可能。多層フィルムのたわみ・ゆがみ・応力の数値化も実現。
Before:フィルム内の異物確認を顕微鏡で行った場合、深さがわからない。観察に時間がかかる。
After:OCTでは3D形状や深さの特定が可能。自動ステージと組み合わせて時短・省人化を実現。
レーザー加工形状のOCT計測実例
石英ガラス上のレーザー加工形状の測定サンプル
石英に弊社のロゴをレーザー加工技術で掘り出したものを光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、OCTで観察しました。
(a)は光学顕微鏡で撮影した画像でロゴが確認できます。
(b)、(d)はそれぞれレーザー顕微鏡とOCTで撮影した画像です。
またレーザー顕微鏡画像の赤い点線部のプロファイルが(c)、OCT画像の赤い点線部の断層画像が(e)になります。
レーザー顕微鏡のプロファイルでは加工痕の深さが分かりますが、OCTの断層画像で見られるようなマイクロクラックは確認できません。
OCTを使うことで、レーザー加工で開けた穴の半径や深さ、マイクロクラックの評価などが行えます。
応用例
レーザー加工で多く使用される、光学フィルム、CFRP、セラミックス、金属、半導体、ガラス、プラスチック など様々な材料に対応します。
Before:レーザー加工の品番切替時に人の目による検査に工数がかかる。
After::レーザー加工後の寸法検査をOCTにより自動化することで工数削減を実
Before:カメラではレーザー加工形状の深さ方向の情報がわからない。
After:OCTをレーザー加工機へアドオンし、深さを含めた加工形状のリアルタイム検査&制御へのフィードバック。
Before:レーザー顕微鏡では直角の止まり穴の深さ方向の計測が難しい。
After:適切なアスペクト比の対物レンズを選定し、穴の半径・深さ、更に加工によるマイクロクラックを検出。
ペットボトル表面キズのOCT計測実例
十字傷の入ったペットボトルの測定サンプル
応用例
プラスチック、光学フィルム、ディスプレイ(LCD/OLED)、ガラス、結晶、光学部品などカメラで見切れない透明な物質の計測に対応します。
Before: カメラでは透明な物質の表面検査が難しい。
After:OCTでは透明な物質の表面キズの検査、さらに内部観察を実現。
非破壊・非接触で半導体パッケージ基板の3D内部観察
FC-BGA基板の測定サンプル
応用例
半導体パッケージ基板であるFC-BGA(Flip Chip-Ball Grid Array)をOCTで観察しました。
上図はOCTで撮影した基板の断面図、下図はOCTで撮影した二次元画像です。ビルトアップ層の基材を透過し、深さが違う場所での金属配線パターンを観察することができました。
このようにOCTを使うことで、近赤外光が透過する材料であれば内部観察を非破壊・非接触で行うことができます。半導体分野ではシリコンも近赤外光が透過します。
断面観察による導通検査、シリコン基板の厚み検査など、新たな非破壊・非接触検査方法としてOCTが活躍できる可能性があります。
Before: 半導体基板の導通検査だけでは、抜け漏れが多く、損害が大きい。
After:基板の断面画像から導通性を確認。
不織布の内部観察実例
深さによって構造の違う不織布の測定サンプル
不織布をOCTで観察しました。左図と右図はOCTで観察した不織布内部の断面図で、観察する深さによって繊維の長さや構造が違うことがわかります。
このようにOCTを使うことで、不織布を裁断することなく、そのままの状態で不織布の内部観察を非破壊・非接触で行うことができます。
また、シンクランドではニーズに合わせた自動解析ソフト開発(例えば、寸法の自動判定など)や、周辺装置を含む統合システムとしてのご提供が可能です。抜取検査による裁断コストの削減や、インライン自動検査機として工場自動化(FA)を実現します。
金属表面のOCT計測実例
金属表面キズの測定サンプル
金属表面をOCTで観察しました。真ん中の図と右図は、金属表面をOCTで観察した三次元画像と二次元画像です。
このようにOCTを使うことで、カメラが苦手な光沢のあるサンプルでも非破壊・非接触で傷や打痕の大きさ・深さを定量化することができます。
また、シンクランドでは、ラインスキャンにより更に高速でイメージングが可能な高速外観形状検査装置(Single-shot OCT)をリリースする予定です。金属やプラスチック、セラミックス等のインライン用の検査機として活躍できる可能性がございます。是非お気軽にお問い合わせください。
生体のリアルタイムOCT計測実例
皮膚断面のリアルタイム測定サンプル
マウスの卵巣組織(左図の写真)をOCTで3D内部観察することで、組織内に存在する直径約20μmの原始卵胞を確認することができました。
右図(A)と(B)は、それぞれ3日齢と12日齢のマウス卵巣組織のen-face画像で、Zの数値は組織表面からの深さを表しています。(A)3日齢では、直径20-30μmの卵巣の原始卵胞が、(B)12日齢では、成熟した1次及び2次卵胞やその細胞膜が黒い影として観察されました。
このようにOCTを用いると、細胞の3次元寸法や深さが違う場所での分布を非破壊・非接触で確認することができます。
シンクランドでは、OCTによる卵巣組織の視覚化技術によりAYA世代のがん患者さんの妊孕性を維持し、生殖医療に貢献することを目指します。
細胞のOCT計測実例
卵巣組織における卵胞のEx-vivo測定サンプル
マウスの卵巣組織(左図の写真)をOCTで3D内部観察することで、組織内に存在する直径約20μmの原始卵胞を確認することができました。
右図(A)と(B)は、それぞれ3日齢と12日齢のマウス卵巣組織のen-face画像で、Zの数値は組織表面からの深さを表しています。(A)3日齢では、直径20-30μmの卵巣の原始卵胞が、(B)12日齢では、成熟した1次及び2次卵胞やその細胞膜が黒い影として観察されました。
このようにOCTを用いると、細胞の3次元寸法や深さが違う場所での分布を非破壊・非接触で確認することができます。
シンクランドでは、OCTによる卵巣組織の視覚化技術によりAYA世代のがん患者さんの妊孕性を維持し、生殖医療に貢献することを目指します。
Masaki Hosoda, Daisuke Oida, Koichiro Ito, Seido Takae, Nao Suzuki, Kosuke Tsukada, (2022). “Ex vivo sensing of primordial follicles in ovarian tissues by spectral-domain optical coherence tomography,” Proc. SPIE 12036, Medical Imaging 2022. 120360J; doi: 10.1117/12.2607462
そのほかの計測事例
食品の表面だけでなく内部構造を観察することができます。
高分子材料の形状観察にトライしています。
フィルムのたわみ、ゆがみを測定します。たわみ量を数値で計測することも可能です。
ゴムの断面像を計測します。ゴムの内部構造の観察が可能です。