Think-Lands Co., Ltd.
シンクランドではホローマイクロニードル(貫通孔をもつ中空型マイクロニードル)を 美容、医療分野で役立てるべく研究開発を進めております。 医療分野ではマイクロニードルを使った「皮内投与」が注目されています。
今回は、皮内投与とは何か、注射剤による他の投与形態との違い・メリット、皮内投与にマイクロニードルを使用するメリットについてご紹介いたします。
皮内投与って何?
皮内投与とは、注射剤の投与形態の一つです。皮膚は表皮、真皮、皮下組織という3つの層から形成されています(図1)。この真皮内に薬液を投与する方法を皮内投与と呼んでいます。
図1 皮膚断面図
注射剤の主な投与形態として皮内投与のほか、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与があります。その他の投与形態の特徴を以下に記します。
皮下投与
真皮を超えて、皮下組織に薬液を投与する方法を皮下投与と言います。毛細血管は筋肉内ほど発達していないため、一般的に薬剤の血中移行性は筋肉内投与よりも低いです。
筋肉内投与
皮下組織の下には筋肉があり、この筋肉内に薬液を投与することを筋肉内投与と言います。筋肉内は毛細血管が豊富で、薬物の血中移行は比較的早いです。
静脈内投与
薬物を静脈内に直接投与します。速やかに血中濃度は上昇するため、即効性が求められる薬剤の投与に適しています。
皮内投与のメリット
真皮の浅い部分は、痛みを感知する神経線維が少なく、他の投与形態と比較すると痛みを感じにくいというメリットがあります。また、表皮および真皮には菌やウイルスといった外部からの異物の侵入を防ぐために免疫細胞が多く存在しています。そのため、一般的にワクチンを皮内に投与すると皮下や筋肉内に投与した時と比較して少ない量で免疫を獲得することが出来ます。
皮内投与にマイクロニードルを使用するメリット
真皮の厚みは平均で0.5-2mmです。通常の注射針を用いて皮内に投与する場合、図2に示すように10-15度とほぼ水平に針を皮膚に刺す必要があります。しかしながら、真皮は薄いので安定して投与するのは非常に難しく、失敗も多いようです。練習用のキットが売られていることからもその難しさがわかります(図3)。
真皮に到達する長さのマイクロニードルを使用することで、安定して皮内投与をすることが可能となります。また、投与を簡便にすることで、例えば患者様や患者様のご家族が自宅で投与するということも可能になります。
図2 皮内、皮下、筋肉内投与
図3 皮内注射練習用キット
皮内注射練習、トレーニングキット|手技練習に大活躍 (human-model.com)より引用