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PFDA

応用

PFDAの計測原理

シンクランドでは、高周波通信用光コンポーネントの周波数特性検査が行える装置「PFDA」を製造販売しております。今回はPFDAの概要・特長・計測原理をご紹介いたします。


 

周波数特性検査装置「PFDA」の概要

 PFDAとは、Photonic Frequency Domain Analyzerから名付けた弊社オリジナルの光デバイスの周波数特性を計測する装置です。図1に装置外観を示します。

図1.周波数特性検査装置「PFDA」装置外観


 Rohde & Schwarz社(R&S)のVNAという電気デバイスの特性評価装置に、弊社のtwo-tone光源を組みわせる事で、電気デバイスではなく、光デバイスの周波数特性評価を計測できるようにしたハイブリッド・システムです。


 

周波数特性検査装置「PFDA」の特長

  1. EAR非該当

  2. 高精度・ダイナミックレンジ、広帯域計測(他社計測器との比較結果はこちら

  3. IECで標準化された手法


 特徴は、第一に、日本国産の測定原理技術を元にした計測装置なのでEAR非該当(R&S社のVNAは、ドイツ製であり、ERA非該当)という点にあります。

 また、計測装置としての性能で比較しても、原理的に、競合システムよりも高い精度とダイナミックレンジ(信号と雑音の差)を保証できる点があげられます。さらには、より広帯域計測もシステムアップグレードで対応可能になる点も有利なポイントになります。

 なお、本技術は、NICTからの実施許諾製品で、NICTの基本特許を活用した製品になります。また、本計測技術は、IECで標準化された手法(IEC 62803, Edition 1.0, 2016-07)に既になっております。


 

周波数特性検査装置「PFDA」の計測原理

 装置構成を図2に示します。

 VNAと弊社開発の「two-tone発生部」から構成されており、「two-tone発生部」は、LD光源とLN変調器で主に構成されており、あらかじめヌル点(光の出力がゼロになる点)にバイアスされているLNに対して、VNAからのRF信号をLNに入力させる事で光のtwo-toneを発生させる事ができます。

図2.PFDA装置構成


 光のスペクトルと、PDで受光した際のRFスペクトルを図3に示します。


図3.光のスペクトルとRFスペクトル


 VNAから印可したRF周波数(Frf)に対して、キャリア信号の±の位置にtwo-toneが発生します。これは、Frfに対して2倍に相当するギャップ周波数となっています。このスペクトルをPDで二乗検波すると、two-toneのギャップ周波数に相当するRFスペクトルが検知されます。

 この検知されるRF周波数を如何に高いものを得る事ができるかが、計測器機としての高周波特性の実現性に影響することになり、このtwo-toneを用いると、印可RFの2逓倍が得られるので、比較的容易に、高周波数性能を実現できることになります。

 また、印加周波数をFLからFHに可変させることで、PDでの検知される周波数が低周波数から高周波数に変化し、その可変させた場合のRFパワー値をトレースすることで、PDの周波数特性を計測することができます。


 

計測手順と計測例

 計測接続の実際例を図4に示します。

 VNAのPort3からtwo-tone発生器にRF信号を入力させてtwo-toneを発生させます。発生したtwo-toneの光パワーを光パワーメータでモニタしながら、DUTである、この場合は、ICRですが、その出力RFパワーをVNAのPort2で計測します。Port3から入力させるRF信号の2逓倍周波数を同期させながら、Port2でRFレベルを検知します。これらのRF信号レベル、光信号レベルは、制御用PCにデータが転送されて、PCにて、DUTの受光感度(responsivity)を計算し、その周波数特性を表示します。

図4.計測時の接続


  平感度計算は、以下の理論式にて計算されます。

k: responsivity, PRF: Output RF power, Pin: Input Optical power


 測定例を図5に示します。

 DUTとして、帯域70 GHzの広帯域PDを用いた場合の計測例を示しています。他社での計測結果と比べても、±0.3 dB以内で良く一致している事がわかります。


図5.広帯域PDの計測例(競合製品との比較)


 現在商用化しているのは、周波数帯域67 GHzまですが、110 GHz帯域のシステムへのアップグレード製品の開発を進めており、今年の夏にリリース予定です。更には、200 GHzを超えたシステム拡張も視野に入れて開発を進めております。是非とも、今後の開発進捗に合わせて、弊社の広帯域計測器機についてご検討頂けましたら、幸いです。

 現状のシステム、更には、上記広帯域化につきまして、御質問がありましたら、お問い合わせお願い致します。

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