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計測機器をリモートで扱おうとすると、まず問題になるのは通信方式だと思います。 現在、計測機器では多くの通信インターフェースを採用しており、状況によって使い分けることができます。
一方で、A機器は有線LANで接続ができるけど、B機器はRS-232Cにしか対応していないという状況が起きえます。なので、複数機器と連携をするシステムを構築する場合、それぞれの特徴や接続方法を把握する必要があり、とても煩わしく感じると思います。
本記事では、その問題を解決する複数のインターフェースを共通の方法で扱えるVISA通信について簡単にご紹介いたします。
代表的な通信インターフェース
計測機器の通信で利用されるインターフェースには次のようなものがあります。
| RS-232C | USB(3.0) | GPIB | LAN(Cat7) |
---|---|---|---|---|
最大通信速度 | 20K bps | 5G bps | 8M bps | 10G bps |
最大接続数 | 1 | 127 | 14 | ∞ |
最大ケーブル長 | 15 m | 3 m | 4 m | 100 m |
特徴 | ハードウェアとしてはシンプル | 多くの機器に搭載されている | 計測機器特有のコマンドを簡単に扱える | 多数の機器と接続が可能 |
これらインターフェースは特徴も物理的な形状も異なります。
ソフトウェアとしてもそれぞれ特有な設定があり、異なる設定が必要となってきますし、ライブラリをそれぞれ個別に扱う必要もでてきます(例えば、C#のUSB接続ならLibUsbDotNet、LAN接続ならSystem.Net.Socketsなど)。
したがって、複数のインターフェースを組み合わせて利用する場合、労力も知識もコード量も必要となってきます。
図 ソフトウェア構成イメージ(従来)
VISA通信の方式とは?
複数インターフェース問題を解決したのが、VISA通信です。
VISA通信とはVirtual Instrument Software Architectureの略であり、PCと計測機器との通信する際に、物理的インターフェースに関係なく接続ができるようにした規格を指します。
図 ソフトウェア構成イメージ(VISA有)
VISA通信で気を付けること
VISA通信ですべて共通化することは難しく、それぞれのインターフェース(プロトコル)に応じた固有の設定は必要となってきます。
例えば、LANを利用したTCP通信であれば、IPアドレスやポート等を設定してあげる必要がありますし、RS-232Cを利用したシリアル通信であればボーレートやフロー制御等の設定をしてあげる必要があります。
おわりに
本記事では、VISA通信の概要を紹介しました。
VISA通信での設定をこのようにきちんと行えば、一元管理ができて、とても使いやすくなります。
今後は、VISA通信を利用した簡単なプログラムを紹介していきたいと思います。