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光通信になくてはならない基幹デバイスの一つである「光変調器」についてご説明いたします。
光変調器とは?
光変調器とは、送りたい信号、例えば電気信号のON/OFFを、光の強度変化や位相変化に変換する(光に乗せる)装置です。
光に乗せることによって、光ファイバー中を伝搬することが可能となるため、一般的には光通信システムの送信機中に組み込んで使用されます。
光変調方式
光変調の方式としては、直接変調と外部変調に大別されます。
直接変調は半導体レーザに注入する電流を直接変調する方式で、外部変調とは半導体レーザの光を変調する為の外部のデバイスにて変調する方式のことです。
光変調器の種類
主に用いられている外部変調器は、電気光学効果を用いたLN変調器や、電界吸収効果を用いたEA変調器がありますが、周波数変動(チャーピング)や挿入損失の観点から大容量の長距離光通信システムでは主にLN変調器が採用されています。
その他にも音響光学効果、熱光学効果をつかったタイプもあり、最近ではシリコンフォトニクスを用いた変調器も開発されています。
LN変調器
現在、主流であるDP-QPSK変調器は複雑な構成をしていますが、基本となるマッハ・ツェンダー干渉型LN変調器は、直線導波路に入力した光がY分岐導波路で2分岐し、分岐された光はそれぞれ直線導波路を経由し再びY分岐導波路にて合波する構造となっています。
Y分岐後の2つの直線導波路には電極が設けられており、外部から電圧が印加されると電界がかかり導波路屈折率を変化させ光の位相を変化させます。
この位相差がπとなる電圧を印加するとお互いが干渉して打ち消し合い出力はされなく、逆に位相差が0となる電圧を印加すると最大の光量が出力されます。 位相差をπ変化させる電圧は半波長電圧(Vπ)と言われており、出力が最大となる電圧と最小となる電圧を印加することで強度変調(光出力がON/OFF)を行なう事が出来ます。
位相変化量Δφは、下記の式で表されます。
但し、
L:電極長、λ:波長、n:屈折率、r:電気光学定数、E:電界
光変調出力は、下記の式で与えられます。
LN変調器制御
LN変調器は温度変化やDCドリフトにより電圧-光出力特性が変化します。その為、DC電圧を常に最適な動作点になるように自動で制御する必要があります。
内蔵のモニタPD出力や変調器出力の一部をモニタして自動的に動作点に制御するバイアス制御ボードは市販されており、Peak/NULL/QUAD点での制御が可能です。通常の強度変調器ではQUAD点にDCバイアス電圧を制御しRF信号を入力することで光変調信号を出力するように使用します。
LN変調器の導入は是非シンクランドまで!
シンクランドでは、下図のような光変調器関連の製品を取り扱っております。
バイアスコントローラ:LN変調器のDC電圧を常に最適な動作点になるように、内蔵のモニタPD出力や変調器出力の一部をモニタして自動的に動作点に制御します。Peak/NULL/QUAD点での制御が可能です。
RFアンプ:RF信号入力用のアンプです。帯域10~70GHz、シングルエンド、差動入出力等、各種取揃えております。
偏波コントローラ:LN変調器の入力PMFに合わせた偏光状態に合わせるために使用します。
※LN変調器も取り扱っております。是非お問い合わせください。